約100年前に出版されたフランスの絵本の日本語版です。
鰐は「ワニ」と読みます。
難しい漢字ですね!
分類としてはナンセンス絵本になるのではないかなと思いました。
どこかで紹介されていて、手に取ったのですが、1ページ目から意味のわからない出来事が起こり、あっけにとられながらあっという間に最後まで読み切りました。
原書の出版当初は、絵と文字が別のページに掲載されていたそうです。
最初に文字だけの物語ページがあり、完結してから絵のページが始まる。
この日本語版はそれを逆にして、絵のページから始まりますし、絵にはキャプションが付いています。
巻末の解説が充実していて、昭和16年版のしおりに掲載されていたという棟方志功の紹介文も読めます。
堀内誠一など日本人のファンが多かったということを知りました。
私は今まで作者レオポルド・ショヴォーのことを知りませんでしたが、この本は『年を歴た鰐の話』、『年をとったワニの話』というタイトルでこれまでも人気を集めてきたのですね。
もとのフランス語も掲載されているので、私は読めませんが興味のある人にはフランス語の勉強にもなると思います。
ストーリーは正直、私にはあまり理解できませんでしたが、おもしろいとも感じるし、ちょっとこわいとも感じるし、何か深い意味があるのだろうかと想像をめぐらせることのできる本です。
読解力のある方、読み解いてみてください。
シンプルで特徴を捉えた絵も印象的です。
年齢を問わず、楽しめる部分のある本だと思いました。