ゆるゆると書いている高野山の旅行記。
今回は4記事目。
「奥の院」は高野山にある最大の聖地です。
弘法大師が今も生きて瞑想を続けているという信仰が残る場所が一番奥にあります。
そこに辿り着くまでが約2km。
数多くのお墓や供養塔、慰霊碑などが並んでいます。
つまり、ほぼ墓地です。
ここに昼と夜、2回に分けて行ってきました。
前回、「早めの夕食」をいただいたと書きましたが、これは「奥の院ナイトツアー」に参加するためでした。
「奥の院ナイトツアー」では高野山に住む僧侶が夜にガイドをしてくださいます。
徒歩で分かりやすく参拝の作法や途中にある供養塔、慰霊碑などの説明をしてくださいます。
日本語ガイドと英語ガイドの2種類から選べます。
私たちは日本語を選びましたが、集合場所は英語ガイドを選んだ人たちと同じ。
どちらも同じくらいの人数が集まっていました。
チラッと横目で英語ガイドさんを見ましたが、慣れていらっしゃるようでした。人気のツアーのようです!
夜間のツアーですので、残念ながらあまり写真はありません。
私の素人撮影ではあまりよいものが撮れなかったので、数少ないOKなものを紹介します。
こちらは奥の院への入口。
合掌してから中に進みます。
灯籠が丸くくりぬかれているのが分かるでしょうか。
それに対してこちらは欠けていますよね。
これは月を表しています。対して前の写真は太陽です。
このような日中では見づらい注目ポイントを教えていただけて、見ることができるのもナイトツアーのよいところです。
初日の夜にナイトツアーに参加すると、翌日の昼間に見るべきポイントが分かって便利だと思います。
ツアー終了後はバスに乗車。
宿泊した普賢院はバス停のすぐ近くにあるので、バス停で降りたあとほとんど歩くことなく宿坊に帰り、貸切の家族風呂に入って就寝したのでした。
ナイトツアーで高野山の歴史や信仰についてはもちろんのこと、ちょっとミステリアスな雰囲気を楽しめたのはよかったです!
でも、やはり夜は見づらい。
翌日、宿坊の勤行と朝食を終えたあとにもう一度行きました(このように日中と夜間の両方に行く人は多いようです)。
朝の空気が気持ちいい。
一般の方々の寄進が多いと思うのですが、中には著名人も。
苔むしたところにお地蔵さん。
大黒さんが奥にいました。
以下、写真撮影NGなところはもちろん、墓石を撮影するのははばかられたので、案内板を主に撮影しました。
戦国武将のお墓が数多く建立されていました。
豊臣秀吉。
明智光秀。
武田信玄、武田勝頼。
筑前 黒田家。
赤穂四十七士。
浅野内匠頭。
伊達政宗。
ここまで主に戦国武将のお墓を紹介しましたが、一番大きなお墓は戦国武将のものではありません。
織田信長の妹・お市の三女で、徳川二代将軍・秀忠の正室、そして家光の生母「お江(ごう)」の供養塔です。
この写真では伝わりにくいと思うのですが、一番石、つまり奥の院で一番大きいものです。
「墓所」とありますが「供養塔」ともあったので、写真を撮りました(ここに遺骨が埋まっているのではないと思う)。
高野山を扱うガイドブックにはたいてい奥の院が載っていて、そこで取り上げられるのはほとんどがこの記事の最初に乗せた戦国武将たち。
でも、実際にこの一番石を見ると圧倒される大きさです。
ガイドブックでほとんど扱われないのが不思議でなりません。
編集者が男性であることが多いからですかね~。
近くにはお江が生んだ千姫の供養塔もあります。
お江も千姫も時代に翻弄された人たちですよね。
ちなみに2番目に大きい2番石は安芸浅野家、続く3番石は加賀前田家、4番石は薩摩島津家の供養塔です。
奥の院参道には歴史的人物のお墓だけではなく中小企業から大手企業まで、数多くの企業の供養塔が建立されています。
中には企業イメージを前面に出したユニークな供養塔も。
ヤクルト。
UCC上島珈琲。
このような故人を偲んでいるとは一見見えない慰霊碑や供養塔も多くあるので、不謹慎とはいえ楽しめました(おそらく偲んでいるんだと思いますよ。しっかりした考えがあってのデザインだと思います)。
参道を抜けると、弘法大師空海の信仰の場となり、写真撮影はできません。
でも「姿見の井戸」といって、井戸の中をのぞいて自分の姿が水に映らなかったら、3年以内に死ぬ、という言い伝えのある井戸などがあります(ちなみに私は映りました。よかった)!
また「みろく石」といって、石を持ち上げてみて予想より重かったら悪人、軽かったら善人という言い伝えのある石もあります(ちなみに重かったです!私は悪人です……)。
他にも「三年坂」といって「つまずくとあと3年の命」の箇所があったりします(つまずきませんでした!命はまだありそう……)。
このような必見ポイントはナイトツアーで教えていただけるので、やはりナイトツアーはお勧めです。
ただし、一番石や二番石などの説明はガイドブックで調べたものです。
参道の突き当たりには春日局の供養塔もあります。
弘法大師が瞑想しているという御廟や灯籠堂をもう一度しっかりと参拝して帰路につきました。
ナイトツアーについて詳しくはこちらから。
オンラインで申し込むと割引があります。
奥の院全体についてはこちらから。
KOYASAN OKUNOIN CEMETERY NIGHT TOUR
奥の院観光にははき慣れた靴で行くことをお勧めします。
この日はお江の供養塔を探し回ったりもしたので約2万歩歩きました。
特に戦国時代の歴史好きにはたまらない場所だと思います。
楽しい旅を!
08 御朱印でめぐる高野山 改訂版 (地球の歩き方 御朱印シリーズ)